江戸小紋の歴史
江戸小紋のルーツは、遠く室町時代にさかのぼりますが、当初はもっぱら武具である鎧の革所や家紋などに用いられていたもので、武具の日常着など、衣服にも染められるようになったのは室町の後期と推定されています。技術的に発達し、広く普及したのは江戸時代はじめ、武士の礼装である裃の染がおこなわれるようになってからです。やがて、江戸時代の中期町人文化の発達とともに、小紋は身分や時代を超えて一般的の人々に愛されるようになり、今日にいたっております。長い伝統に培われた感覚と技術が優秀な後継者たちによって受け継がれています。
江戸小紋の染め工程
1型紙の手彫り
和紙を柿渋で固めたものに柄を根気よく彫り込んでいきます。
2型付け
白生地に型を乗せ糊をヘラで置く、染の最も重要な部分です。
3色糊の調合
餅粉と米ぬかを混ぜて蒸し、よく練った元糊に染料を入れます。
4しごき染め
染料の入った地色糊を生地全体に塗り付け背景の色を施します。
5蒸し
染料を生地に定着させるため地色糊が乾かないうちに蒸し箱へ。
6水洗い
何度も丁寧にすすぐと柄と色がより鮮明に仕上がります。
7天日干し
天日干しする事で素早く乾かします。